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メアリーのブログ「スキップして!」

鹿児島県薩摩川内市、自家焙煎珈琲店「珈琲倶楽部船倉」のオーナー、メアリーのブログです。

 一本の弦の上に

 先日の9月24日は、出水沢藍子先生のエッセイ教室開講20年記念と、そこで学んだ講座生のエッセイ72点を載せた作品集『らんたん』の出版パーティーが行われました。
2002年に奄美市で開講したのを皮切りに、鹿児島市内外で7教室を主宰、受講生は200人を超えるとのことです。
出水沢先生とのご縁は、ある出版パーティイーで隣り合わせたことから生まれました。当店の「珈琲のある風景エッセイコンテスト」を10年間主催し、5年目から先生に審査委員長をして頂くことになったのです。南日本新聞社の薩摩川内総局長とともに、毎年、国内外から1000点以上寄せられる作品の最終審査をして頂きました。コンテスト終了後は、「船倉エッセイ教室」の講師をお願いすることになり、鹿児島市から8年間、通ってくださいました。
南日本文学賞や新日本文学賞など、多くの文学賞を受賞、『マブリの島』や『銀花』などの小説集があります。現在は南日本新聞社の「新春文芸」や龍郷町の「たつごうエッセイ」の選考委員も務め、鹿児島の文学の一翼を担っている方です。
『らんたん』に収められている72のエッセイを読んで、表現の巧みさにうなり、勉強させられる日々です。
私は、昨年10月に93歳で亡くなった母との約10年間のやり取りを書きました。タイトルは「大きくなーれ」 。記憶力は低下していくのに、私の質問には的確に答えてくれ「珈琲の一杯一杯を大事にね。そうやってあなたは大きくなるのよ」という母の言葉を思い出して綴ったのです。
パーティーでは作家や南日本新聞社の文化部デスク、写真家や講座生の代表などの祝辞やテーブルスピーチがあり、愛情と感謝に満ちた挨拶に心打たれ、書く意欲が湧きました。
作品集「らんたん」は、台湾や長崎で夜空に放たれる「掲灯」のように、エッセイを書くことが灯になってほしいという願いを込めて名付けられたとのこと。
ここに名を連ねた私たちは「きょうだい」のようだと話された方がいましたが、私はバッハの「G線上のアリア」を思い出しました。年齢も性別も異なる人たちがそれぞれの思いを持ち、1本の弦の上に集まり、一つの曲を奏でていくイメージと重なる作品集「らんたん」は、私たちの人生の宝ものとも言えます。
出水沢先生の厳しくも愛情深い教えを糧に書き続け、自分らしい「らんたん」を灯し続けていきたいと、決意を新たにしたところです。
「らんたん」にご興味がある方は、珈琲倶楽部船倉でご自由にご覧いただけます。

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祝風を感じながら

船倉三千代の初写真展「踊り子KOHARU」を多くの方のご支援を頂いて開催でき、大成功のうちに終えることができました。
バレリーナKOHARU(小桜)さんの20歳を祝福したいという思いで、半年前に個展の開催を決め、8/29から6日間開催しました。

  個展 前から「祝風」が吹き始め、個展開催中はさらに優しく、柔らかい風になり、そして終了した今も感じ続けています。
初個展は不安がつのるばかりでしたが、始まると共に来場された多方面の方々から、もったいないほどの賛辞を頂きました。時間が経つにつれ展示された作品が輝きを増し、それが自信に繋がった気がします。
  10歳だったKOHARUさんのかわいい姿から、20歳を迎えた今年の撮りおろしの女性らしい姿まで、一瞬一瞬の10年間を切り取った写真は、KOHARUさんと私の成長のドキュメントタリーとも評されました。

  個展開催が決まってからの撮りおろしの写真「祝風」を初めとする3枚は大変評判がよく、「個展に対する意気込みが感じられる」と有難い言葉もいただきました。

  「ボレロの世界」5枚は私が魂の曲ボレロを全身で聴き、踊り子とひとつになって撮影したもの。「コンテンポラリーダンス」の9枚はコハルさんの強い想いと激しい動きに合わせて、息を止めて撮影したもの。
「10年の軌跡」は10歳のコハルさんの舞台袖、練習風景、本番の様子を、成長に寄り添って写したものです。

写真展開催を決意した時から、写真展のコーディネートをお願いした(公社)日本写真家協会正会員の村上光明先生にご指導頂きました。先生の豊かでするどい感性には驚くばかりでした。
  友人で東京在住のアートナビゲーターの佐々木幹雄さんが、写真のイメージのみでタイトルとキャプションを考えて下さいました。
撮影者本人も気づかなかった作品に対する深堀りの観点は、作品価値をぐっと引き上げて下さいました。

  来場者メッセージの中にバレエを習ってる子供さんたちの言葉がありました。
「わたしも小桜(コハル)先生のようになりたいです」「とてもきれいで、かっこいいです。来年もがんばります」
写真を観て、幼い子供たちがバレエでもっと自己表現を楽しみたいという気持ちになってくれたのであれば、この上ない喜びです。

鹿児島バレエ研究所主宰の田中佐美さんとのご縁からバレエ写真を写すことができ、KOHARUさんが自由に写させて下さったから、このような個展が開催できたのです。

「桜日(はるのひ)」
「そもそも小春日和と言われるのは、晩秋から初冬の間の、気圧配置が緩んで日差しが春のような暖かい陽気が続く日のことで、決して春ではない。
では小“桜”日和とは、どんな日だろう。こんなひたむきなKOHARUの笑顔を見たときに、ぽっと暖かさを感じられる日、と定義付けたい。人の心に、季節に関係なく桜を開花させる日。小桜=KOHARU、何と、良い名前なのだろう。 (佐々木幹雄さんのキャプションの一部より)

ここに書ききれないほどの感謝をこめて、写真展のご報告でした。
What a wonderful world…

写真展でいただいた数多い有難い言葉の一部を書かせていただきます。

【写真展コーディネーター 写真家村上光明先生のあいさつ文から】
                                     (一部省略しています)
写真には「上手い写真」と「良い写真」がある。「上手い写真」とはカメラ技術や表現
技術を駆使し理想の写真を作り上げること。AIが人間の技術を超える時が近づいてきている。
では「良い写真」となんだろう それは今回の船倉三千代が10年かけて撮影したひとりのバレリーナの成長だ。人や時代を船倉の価値観で記憶する。長い歳月をかけ自分も歳を重ねる。時を超えるテーマにAIは存在しない。」

【写真展での来場者のご感想】
・「とても素敵な作品で、一つ一つキャプションを読みながら、気が付くと作品に吸い込まれる感覚になりました。感動をありがとうございます。(薩摩川内市Oさま)
・「一流の方が一流の仕事をされていると思いました。しかしやはりカメラマンの情熱が一番凄いなーと思いましたよ。」(薩摩川内市Mさま)
・「オープニングでの想像だにしないアヴェマリアの舞で幕が開くとは感動。ボレロの制作過程のお話や砂地での撮影のお話から妥協のない厳しい真剣勝負の世界が伝わってきました。」(薩摩川内市Tさま)
・「とっても素敵なショットですね。観ていると思わずこころも微笑み愛になります。本当に美しいです。撮影者の心が写真に映し出されていますね。」(福岡市Nさま)
・「素晴らしい空間と時間にご一緒できて心躍りました」(北海道 Kさま)
・綺麗だけでなく、裏で努力している姿を写している作品もあり、成長ドキュメンタリーの要素もあり、見応えたっぷりでした。(東京都 Oさま)

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