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メアリーのブログ「スキップして!」

鹿児島県薩摩川内市、自家焙煎珈琲店「珈琲倶楽部船倉」のオーナー、メアリーのブログです。

カップの贈りもの


エジプト旅行のお土産に「ツタンカーメンのカップ」をいただいたことがあります。
ツタンカーメンと言えば、黄金マスクをつけた少年王・ツタンカーメンのミイラが発見されてから、史上最も有名な王となったという伝説があります。
このカップは考古学博物館の隣で買ってくれたそうです。店内で箱からカップを取り出した時、常連様やスタッフもその気高い雰囲気に「おー」と驚きの声を上げたのを覚えています。このカップが船倉の仲間入りしたのはもう16年ほど前のことです。
カップの送り主は、京都宇治で老舗和菓子店「駿河屋」の女将をしている学生時代からの友人。仕事をこなしながら、旅行、エッセイ、歌舞伎などの趣味を徹底して楽しんでいます。海外旅行はこれまで35ヵ国以上で彼女の旅行の様子をエッセイに綴っているのを読ませてもらったことがあります。
そこには旅行で出会った人や海外の知人に会いに行ったことなどが多く描かれていますが、「密かな楽しみ」というタイトルでカップのことを取り上げていたことがありました。
そのエッセイの中で、「妹との初めてのオランダ旅行で、ゴッホミュージアムで、そこでしか買えないというひまわりのマグカップを自分の為に1個だけ買った。以来毎日、そのカップでモーニング珈琲を飲んでいる。飲むたびにアムステルダムの街が頭に浮かび、珈琲タイムを彩ってくれる。これはなかなかいいぞと思い、二年後、主人と再度オランダに行った時、鹿児島で珈琲専門店をやっている親友のためにデミタスカップをセットで買った。お店のお客さまが喜んで下さったようで嬉しかった。エジプトでは焼けるような暑さや、ボロボロのタクシーもいい思い出。ここでも親友の珈琲店のためにツタンカーメンのカップを買った。旅先でカップを買うことが楽しみになった」と書かれていて、なんと一編のエッセイに2度も私が登場していました。友人のご主人が「このカップは三千代ちゃんへ」と言われて即決まったことを聞いて、私もエジプトに一緒に行った気分になるほど感激しました。
当店では、英国のウェッジウッド、ドイツのマイセン、デンマークのロイヤルコペンハーゲン、イタリアのリチャードジノリなどのカップを揃えています。新しい柄が入ったらなるべく購入するようにしています。
幸せになる珈琲タイムにはカップの果たす役割は大きい思います。
今年はインスタなどでカップの投稿を始めました。ツタンカーメンのカップを取り上げたところ「そのカップで飲んでみたい」というお声がありました。
 お気軽にお好みのカップを選んで申し出ていただきたいです。
 今年も雰囲気づくりと味づくりを極めてまいります。

鳳凰の贈りもの

明けましておめでとうございます。
2024年の幕が開けました。今年もどうぞよろしくお願い致します。
私どもは、昨年35周年の区切りで、たくさんの方々に祝福して頂き、,ここまで続けられたことに感謝し、晴れて36年目のスタートを切ることができました。
今年も、インスタやFBなどのSNSを発信し、よりよい雰囲気と美味しい味の提供に力を注いで参ります。

昨年8月に、私が写真展「踊り子KOHARU」を開催した時、感動して下さった友人Uさんから贈りものがふたつ届きました。ひとつはKOHARUさんへ、もうひとつは私への贈りものです。Uさんとは30年以上、交流があり、公務員を退職され現在は陶芸を学んでいる方です。
個展の出展作品の中でも代表的作品で、アートナビゲーターの友人が「祝風」(祝福の風)とタイトルを付けて下さった作品があります。KOHARUさんが青色の衣装を身に着け、長い布を両手で風になびかせ、光を浴びながら天に向かうような、その姿を形にしたいと、壺上のデザインを考えられたそうです。なんと浮かんできたのが鳳凰の姿。
鳳凰は中国神話の伝説の鳥、霊鳥で風の神、またはその使者(風師)として信仰され、調和と平穏の象徴とされています。
丸い白薩摩の壺の表面に、KOHARUさんの衣装と同じ色の青で、鳳凰の羽を一枚一枚丁寧に描き、その羽を長くなびかせ舞っているようなデザイン。写真の「祝風」とイメージがぴったり重なり、踊り子KOHARUさんが鳳凰のように天高く優雅に舞っているようにさえ感じます。
二つ頂いた壺のうち、KOHARUさんが戴いたものはバレエ教室に、もうひとつは珈琲倶楽部船倉のカウンターに置いています。壺から愛と光を放射してくれているように思えます。新年のスタートにふさわしい縁起物です。

今年は龍年です。龍も鳳凰も想像上の動物で聖なる生き物とされ、上昇と繁栄、平穏をもたらす吉祥とされています。
皆様が多くの幸運に導かれ、穏やかな日々を過ごされますよう心よりお祈り致します。

能登半島地震の被災状況がこれ以上悲惨にならないことと早い復興を切にお祈りします。

35周年の年に

2023年も残りわずかとなりました。今年も珈琲倶楽部船倉をご愛顧頂き、誠に有難うございます。

お陰様で、開店35周年という区切りを迎えることができ、「ありがとう」の想いを
オリジナルトートバッグで形に込め、多くの皆さんに喜んで頂くことができました。
長年ご支援頂いているお客様、どんな時も明るく動いてくれるスタッフ、こちらの要望に気持ちよく対応して下さる取引会社の皆様に改めて感謝申し上げます。

年頭に「ワクワクする年でありますように!」と祈ったところ、思いがけない贈物を頂きました。8月末に写真展「踊り子KOHARU」を開催することができたのです。バレリーナKOHARUさんの 20歳を祝し、10年間を追い続けた写真展。写真家のコーディネートや東京在住の友人でアートナビゲーターの方にキャプションをプレゼントして頂くなど、お力をお借りして開催できました。お客様、友人知人など多く方にご来場頂き大盛況のうちに終えることができたのも、珈琲店あってのことと感じた次第です。
来場者や関係者の温かい言葉や思いに接したことで、写真展を終え3か月たった現在も、心の中に宝石のような光るものが存在し続け、日々の力になっているのを感じています。写真展をできたことは大きな意味があったと確信しています。

さらに今年は、古希の同窓会もありました。同窓会当日、高校2年と3年時に書いたという自分宛の年頭所感を読む機会に恵まれました。全く記憶にありませんでしたが、文章の最後に「昨日、昨夜の事でなく今を真剣に生きたい」と書いていました。現在の私は「一瞬一瞬を意識して大切に生きたい」と思っているので、同じ思いであることに驚き、16歳の自分から再確認のエールを贈られたような思いがし、愛おしささえ覚えました。

同窓会では、写真係として任され、70名の集合写真を撮るという大役を果たすことができました。私が珈琲店を経営しているということで、同級生からの数多くの応援を頂きました。小、中学校での珈琲教室、焙煎機の導入、HP作成管理、スタッフのお母様などの深い繋がりなど数えあげたらきりがありません。
明けて5月には、口永良部島での中学の古希の同窓会が予定されています。こちらは少人数ですが、関東、関西からも参加予定で、早くも幹事として動き始めています。

珈琲倶楽部船倉が35周年を迎え、私自身も趣味の写真で初個展を開くことができたのは2023年。
今年も多くの方々に支えて頂き、繋がりに心より感謝致します。
年末を健康に心を配り、師走の日々をご自愛の程お過ごし下さいませ。
新しい年の足音を聞きながら。
良いお年をお迎え下さいませ。

感謝のフェア

野山ではオレンジ色や紫色の木の実が秋の風景を彩り始め心が弾みます。
当店では11月は「秋の感謝フェア」の月。3月の「春の感謝フェア」、7月の「オープン記念感謝フェア」を含め、年3回の感謝フェアを行っています。
オープン当初から始めた感謝フェアは、より多くの方に自家焙煎珈琲を飲んで頂きたいという思いと、日頃、珈琲豆を購入頂いている方々に感謝を表す機会を作りたいという趣旨で始めました。
定期的に行うため、多くのお客様が心待ちにして下さっています。
10年前までは全ての珈琲豆10種類以上を20%割引きにし、4日間だけのセールでした。店内が予想以上に混雑したため、駐車場に車2台分の広さのコンテナを設置し、販売を行なったこともあります。
4日間で全種類の珈琲豆を販売は人手と時間がかかりすぎるため、現在は厳選4種、1か月間のフェアとしています。
そして、毎月1種類を「月のおすすめ珈琲15%引き」として提供しています。
今まで、珈琲生豆の高騰で数回の値上げをせざる得ないことがありました。値上げ価格を決定する時は、お客様に申し訳ないという
経営者としての葛藤が続きますが、値上げ後も引き続き購入頂けることはこの上なく有難いことと感謝申し上げるばかりです。
昨年4月も大幅な仕入れ価格の値上げのため、ぎりぎりの定価提供を考え、20%引きのサービスを15%引きとしました。こちらも断腸の思いで決意した次第です。
薩摩川内市や近辺の方々はわざわざ店に足を運んで下さいます。市外、県外の方々は近くに珈琲豆店があるにも関わらず、送料をプラスして船倉珈琲を購入して下さいます。
当店の割引はセールでなく、心を込めたフェア、感謝のフェアなのです。
感謝フェア中、焙煎機は朝からフル稼動です。現在の焙煎機は3台目。2台目からドイツ製のプロバットを使用し、珈琲豆の特質を生かした香り高い珈琲作りに取り組んでいます。 
35年間変わらずに続けているのは、フェアを知らせるお客様へのDMに感謝と祈りの言葉を手書きで入れることです。
「ありがとうを書き続けて35年」私の手書きの文字は決して達筆ではありませんが、毎回感謝あふれる思いでコメントを書いています。4名で書きあげているハガキのコメントに喜びの声を頂く時は飛び上がりたくなるほどです。
現在、フェアの準備はスタッフの細かい段取りと信頼できる委託会社に依頼し、喜んで頂けますよう受け入れ態勢万全です。
秋の感謝フェア、スタッフ共々、皆様のご来店、ご注文をお待ち申し上げています。
心温まる珈琲タイムを祈りながら・・

 一本の弦の上に

 先日の9月24日は、出水沢藍子先生のエッセイ教室開講20年記念と、そこで学んだ講座生のエッセイ72点を載せた作品集『らんたん』の出版パーティーが行われました。
2002年に奄美市で開講したのを皮切りに、鹿児島市内外で7教室を主宰、受講生は200人を超えるとのことです。
出水沢先生とのご縁は、ある出版パーティイーで隣り合わせたことから生まれました。当店の「珈琲のある風景エッセイコンテスト」を10年間主催し、5年目から先生に審査委員長をして頂くことになったのです。南日本新聞社の薩摩川内総局長とともに、毎年、国内外から1000点以上寄せられる作品の最終審査をして頂きました。コンテスト終了後は、「船倉エッセイ教室」の講師をお願いすることになり、鹿児島市から8年間、通ってくださいました。
南日本文学賞や新日本文学賞など、多くの文学賞を受賞、『マブリの島』や『銀花』などの小説集があります。現在は南日本新聞社の「新春文芸」や龍郷町の「たつごうエッセイ」の選考委員も務め、鹿児島の文学の一翼を担っている方です。
『らんたん』に収められている72のエッセイを読んで、表現の巧みさにうなり、勉強させられる日々です。
私は、昨年10月に93歳で亡くなった母との約10年間のやり取りを書きました。タイトルは「大きくなーれ」 。記憶力は低下していくのに、私の質問には的確に答えてくれ「珈琲の一杯一杯を大事にね。そうやってあなたは大きくなるのよ」という母の言葉を思い出して綴ったのです。
パーティーでは作家や南日本新聞社の文化部デスク、写真家や講座生の代表などの祝辞やテーブルスピーチがあり、愛情と感謝に満ちた挨拶に心打たれ、書く意欲が湧きました。
作品集「らんたん」は、台湾や長崎で夜空に放たれる「掲灯」のように、エッセイを書くことが灯になってほしいという願いを込めて名付けられたとのこと。
ここに名を連ねた私たちは「きょうだい」のようだと話された方がいましたが、私はバッハの「G線上のアリア」を思い出しました。年齢も性別も異なる人たちがそれぞれの思いを持ち、1本の弦の上に集まり、一つの曲を奏でていくイメージと重なる作品集「らんたん」は、私たちの人生の宝ものとも言えます。
出水沢先生の厳しくも愛情深い教えを糧に書き続け、自分らしい「らんたん」を灯し続けていきたいと、決意を新たにしたところです。
「らんたん」にご興味がある方は、珈琲倶楽部船倉でご自由にご覧いただけます。