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メアリーのブログ「スキップして!」

鹿児島県薩摩川内市、自家焙煎珈琲店「珈琲倶楽部船倉」のオーナー、メアリーのブログです。

35周年の年に

2023年も残りわずかとなりました。今年も珈琲倶楽部船倉をご愛顧頂き、誠に有難うございます。

お陰様で、開店35周年という区切りを迎えることができ、「ありがとう」の想いを
オリジナルトートバッグで形に込め、多くの皆さんに喜んで頂くことができました。
長年ご支援頂いているお客様、どんな時も明るく動いてくれるスタッフ、こちらの要望に気持ちよく対応して下さる取引会社の皆様に改めて感謝申し上げます。

年頭に「ワクワクする年でありますように!」と祈ったところ、思いがけない贈物を頂きました。8月末に写真展「踊り子KOHARU」を開催することができたのです。バレリーナKOHARUさんの 20歳を祝し、10年間を追い続けた写真展。写真家のコーディネートや東京在住の友人でアートナビゲーターの方にキャプションをプレゼントして頂くなど、お力をお借りして開催できました。お客様、友人知人など多く方にご来場頂き大盛況のうちに終えることができたのも、珈琲店あってのことと感じた次第です。
来場者や関係者の温かい言葉や思いに接したことで、写真展を終え3か月たった現在も、心の中に宝石のような光るものが存在し続け、日々の力になっているのを感じています。写真展をできたことは大きな意味があったと確信しています。

さらに今年は、古希の同窓会もありました。同窓会当日、高校2年と3年時に書いたという自分宛の年頭所感を読む機会に恵まれました。全く記憶にありませんでしたが、文章の最後に「昨日、昨夜の事でなく今を真剣に生きたい」と書いていました。現在の私は「一瞬一瞬を意識して大切に生きたい」と思っているので、同じ思いであることに驚き、16歳の自分から再確認のエールを贈られたような思いがし、愛おしささえ覚えました。

同窓会では、写真係として任され、70名の集合写真を撮るという大役を果たすことができました。私が珈琲店を経営しているということで、同級生からの数多くの応援を頂きました。小、中学校での珈琲教室、焙煎機の導入、HP作成管理、スタッフのお母様などの深い繋がりなど数えあげたらきりがありません。
明けて5月には、口永良部島での中学の古希の同窓会が予定されています。こちらは少人数ですが、関東、関西からも参加予定で、早くも幹事として動き始めています。

珈琲倶楽部船倉が35周年を迎え、私自身も趣味の写真で初個展を開くことができたのは2023年。
今年も多くの方々に支えて頂き、繋がりに心より感謝致します。
年末を健康に心を配り、師走の日々をご自愛の程お過ごし下さいませ。
新しい年の足音を聞きながら。
良いお年をお迎え下さいませ。

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感謝のフェア

野山ではオレンジ色や紫色の木の実が秋の風景を彩り始め心が弾みます。
当店では11月は「秋の感謝フェア」の月。3月の「春の感謝フェア」、7月の「オープン記念感謝フェア」を含め、年3回の感謝フェアを行っています。
オープン当初から始めた感謝フェアは、より多くの方に自家焙煎珈琲を飲んで頂きたいという思いと、日頃、珈琲豆を購入頂いている方々に感謝を表す機会を作りたいという趣旨で始めました。
定期的に行うため、多くのお客様が心待ちにして下さっています。
10年前までは全ての珈琲豆10種類以上を20%割引きにし、4日間だけのセールでした。店内が予想以上に混雑したため、駐車場に車2台分の広さのコンテナを設置し、販売を行なったこともあります。
4日間で全種類の珈琲豆を販売は人手と時間がかかりすぎるため、現在は厳選4種、1か月間のフェアとしています。
そして、毎月1種類を「月のおすすめ珈琲15%引き」として提供しています。
今まで、珈琲生豆の高騰で数回の値上げをせざる得ないことがありました。値上げ価格を決定する時は、お客様に申し訳ないという
経営者としての葛藤が続きますが、値上げ後も引き続き購入頂けることはこの上なく有難いことと感謝申し上げるばかりです。
昨年4月も大幅な仕入れ価格の値上げのため、ぎりぎりの定価提供を考え、20%引きのサービスを15%引きとしました。こちらも断腸の思いで決意した次第です。
薩摩川内市や近辺の方々はわざわざ店に足を運んで下さいます。市外、県外の方々は近くに珈琲豆店があるにも関わらず、送料をプラスして船倉珈琲を購入して下さいます。
当店の割引はセールでなく、心を込めたフェア、感謝のフェアなのです。
感謝フェア中、焙煎機は朝からフル稼動です。現在の焙煎機は3台目。2台目からドイツ製のプロバットを使用し、珈琲豆の特質を生かした香り高い珈琲作りに取り組んでいます。 
35年間変わらずに続けているのは、フェアを知らせるお客様へのDMに感謝と祈りの言葉を手書きで入れることです。
「ありがとうを書き続けて35年」私の手書きの文字は決して達筆ではありませんが、毎回感謝あふれる思いでコメントを書いています。4名で書きあげているハガキのコメントに喜びの声を頂く時は飛び上がりたくなるほどです。
現在、フェアの準備はスタッフの細かい段取りと信頼できる委託会社に依頼し、喜んで頂けますよう受け入れ態勢万全です。
秋の感謝フェア、スタッフ共々、皆様のご来店、ご注文をお待ち申し上げています。
心温まる珈琲タイムを祈りながら・・

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 一本の弦の上に

 先日の9月24日は、出水沢藍子先生のエッセイ教室開講20年記念と、そこで学んだ講座生のエッセイ72点を載せた作品集『らんたん』の出版パーティーが行われました。
2002年に奄美市で開講したのを皮切りに、鹿児島市内外で7教室を主宰、受講生は200人を超えるとのことです。
出水沢先生とのご縁は、ある出版パーティイーで隣り合わせたことから生まれました。当店の「珈琲のある風景エッセイコンテスト」を10年間主催し、5年目から先生に審査委員長をして頂くことになったのです。南日本新聞社の薩摩川内総局長とともに、毎年、国内外から1000点以上寄せられる作品の最終審査をして頂きました。コンテスト終了後は、「船倉エッセイ教室」の講師をお願いすることになり、鹿児島市から8年間、通ってくださいました。
南日本文学賞や新日本文学賞など、多くの文学賞を受賞、『マブリの島』や『銀花』などの小説集があります。現在は南日本新聞社の「新春文芸」や龍郷町の「たつごうエッセイ」の選考委員も務め、鹿児島の文学の一翼を担っている方です。
『らんたん』に収められている72のエッセイを読んで、表現の巧みさにうなり、勉強させられる日々です。
私は、昨年10月に93歳で亡くなった母との約10年間のやり取りを書きました。タイトルは「大きくなーれ」 。記憶力は低下していくのに、私の質問には的確に答えてくれ「珈琲の一杯一杯を大事にね。そうやってあなたは大きくなるのよ」という母の言葉を思い出して綴ったのです。
パーティーでは作家や南日本新聞社の文化部デスク、写真家や講座生の代表などの祝辞やテーブルスピーチがあり、愛情と感謝に満ちた挨拶に心打たれ、書く意欲が湧きました。
作品集「らんたん」は、台湾や長崎で夜空に放たれる「掲灯」のように、エッセイを書くことが灯になってほしいという願いを込めて名付けられたとのこと。
ここに名を連ねた私たちは「きょうだい」のようだと話された方がいましたが、私はバッハの「G線上のアリア」を思い出しました。年齢も性別も異なる人たちがそれぞれの思いを持ち、1本の弦の上に集まり、一つの曲を奏でていくイメージと重なる作品集「らんたん」は、私たちの人生の宝ものとも言えます。
出水沢先生の厳しくも愛情深い教えを糧に書き続け、自分らしい「らんたん」を灯し続けていきたいと、決意を新たにしたところです。
「らんたん」にご興味がある方は、珈琲倶楽部船倉でご自由にご覧いただけます。

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祝風を感じながら

船倉三千代の初写真展「踊り子KOHARU」を多くの方のご支援を頂いて開催でき、大成功のうちに終えることができました。
バレリーナKOHARU(小桜)さんの20歳を祝福したいという思いで、半年前に個展の開催を決め、8/29から6日間開催しました。

  個展 前から「祝風」が吹き始め、個展開催中はさらに優しく、柔らかい風になり、そして終了した今も感じ続けています。
初個展は不安がつのるばかりでしたが、始まると共に来場された多方面の方々から、もったいないほどの賛辞を頂きました。時間が経つにつれ展示された作品が輝きを増し、それが自信に繋がった気がします。
  10歳だったKOHARUさんのかわいい姿から、20歳を迎えた今年の撮りおろしの女性らしい姿まで、一瞬一瞬の10年間を切り取った写真は、KOHARUさんと私の成長のドキュメントタリーとも評されました。

  個展開催が決まってからの撮りおろしの写真「祝風」を初めとする3枚は大変評判がよく、「個展に対する意気込みが感じられる」と有難い言葉もいただきました。

  「ボレロの世界」5枚は私が魂の曲ボレロを全身で聴き、踊り子とひとつになって撮影したもの。「コンテンポラリーダンス」の9枚はコハルさんの強い想いと激しい動きに合わせて、息を止めて撮影したもの。
「10年の軌跡」は10歳のコハルさんの舞台袖、練習風景、本番の様子を、成長に寄り添って写したものです。

写真展開催を決意した時から、写真展のコーディネートをお願いした(公社)日本写真家協会正会員の村上光明先生にご指導頂きました。先生の豊かでするどい感性には驚くばかりでした。
  友人で東京在住のアートナビゲーターの佐々木幹雄さんが、写真のイメージのみでタイトルとキャプションを考えて下さいました。
撮影者本人も気づかなかった作品に対する深堀りの観点は、作品価値をぐっと引き上げて下さいました。

  来場者メッセージの中にバレエを習ってる子供さんたちの言葉がありました。
「わたしも小桜(コハル)先生のようになりたいです」「とてもきれいで、かっこいいです。来年もがんばります」
写真を観て、幼い子供たちがバレエでもっと自己表現を楽しみたいという気持ちになってくれたのであれば、この上ない喜びです。

鹿児島バレエ研究所主宰の田中佐美さんとのご縁からバレエ写真を写すことができ、KOHARUさんが自由に写させて下さったから、このような個展が開催できたのです。

「桜日(はるのひ)」
「そもそも小春日和と言われるのは、晩秋から初冬の間の、気圧配置が緩んで日差しが春のような暖かい陽気が続く日のことで、決して春ではない。
では小“桜”日和とは、どんな日だろう。こんなひたむきなKOHARUの笑顔を見たときに、ぽっと暖かさを感じられる日、と定義付けたい。人の心に、季節に関係なく桜を開花させる日。小桜=KOHARU、何と、良い名前なのだろう。 (佐々木幹雄さんのキャプションの一部より)

ここに書ききれないほどの感謝をこめて、写真展のご報告でした。
What a wonderful world…

写真展でいただいた数多い有難い言葉の一部を書かせていただきます。

【写真展コーディネーター 写真家村上光明先生のあいさつ文から】
                                     (一部省略しています)
写真には「上手い写真」と「良い写真」がある。「上手い写真」とはカメラ技術や表現
技術を駆使し理想の写真を作り上げること。AIが人間の技術を超える時が近づいてきている。
では「良い写真」となんだろう それは今回の船倉三千代が10年かけて撮影したひとりのバレリーナの成長だ。人や時代を船倉の価値観で記憶する。長い歳月をかけ自分も歳を重ねる。時を超えるテーマにAIは存在しない。」

【写真展での来場者のご感想】
・「とても素敵な作品で、一つ一つキャプションを読みながら、気が付くと作品に吸い込まれる感覚になりました。感動をありがとうございます。(薩摩川内市Oさま)
・「一流の方が一流の仕事をされていると思いました。しかしやはりカメラマンの情熱が一番凄いなーと思いましたよ。」(薩摩川内市Mさま)
・「オープニングでの想像だにしないアヴェマリアの舞で幕が開くとは感動。ボレロの制作過程のお話や砂地での撮影のお話から妥協のない厳しい真剣勝負の世界が伝わってきました。」(薩摩川内市Tさま)
・「とっても素敵なショットですね。観ていると思わずこころも微笑み愛になります。本当に美しいです。撮影者の心が写真に映し出されていますね。」(福岡市Nさま)
・「素晴らしい空間と時間にご一緒できて心躍りました」(北海道 Kさま)
・綺麗だけでなく、裏で努力している姿を写している作品もあり、成長ドキュメンタリーの要素もあり、見応えたっぷりでした。(東京都 Oさま)

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写真展「踊り子KOHARU」

真っ青な空に入道雲、セミの声も賑やかに聞こえ真夏日が続いています。皆さまにはお変わりなくお過ごしのことでしょう。
さて、私こと、8月29日から9月3日まで「船倉三千代写真展・踊り子KOHARU」を開催する運びとなりました。
私のバレエ写真の最初の被写体は踊り子コハルさん。当時10歳だった彼女はレッスン場で恥じらいを見せながらも撮影に応じてくれました。
祖母、母親がバレエ教師で、3歳からバレエを習い始めているというコハルさんは一味違う輝きを放ち、カメラの奥から魅了され続けています。コハルさんは天性の明るさを備え、彼女の周りでは笑いが絶えず、そこにも惹かれています。
今年20歳になるコハルさんを祝福したいという思いが写真展を開催するきっかけとなりました。
過去10年間のデータの中から、コハルさんの写真を取り出す作業に時間を掛けました。1枚1枚選び出す時、豊かな表情に引き込まれてしまい、彼女に対する愛おしさが湧き出てきたのです。彼女を無心に撮り続けている10年間の自分の姿も鮮明に浮かび上がり、バレエ写真を撮影できる環境に感謝の念があふれてきました。
私がバレエの世界に縁をいただいたのは、約20年ほど前、コハルさんの祖母Sさんとの出会いでした。鹿児島バレエ研究所主宰のSさんの人間性に惹かれ、発表会を観に行き、一瞬にしてバレエの聖なる世界の虜になってしまいました。
年に1回の発表会では、先生方のご苦労はもちろん研鑽を積んだ生徒たち、ゲストダンサー、父母の会の方々、舞台監督、照明など多くの方々がひとつになって創り上げる大劇場のような仕上がりに感嘆しています。
舞台袖では、出番前の踊り子たちの自信と不安、緊張と喜びに満ちた表情を生き生きと写し取りたいと願いながら、撮影を心がけています。「私はプロ!」といわんばかりの堂々とした本番の演舞には驚くばかりです。
コハルさんの舞は、神秘的に、時に艶やかに、表情豊かに多彩な役を演じます。最近ではコンテンポラリーも卓越し、コンクールでも受賞しています。
私がカメラを手にしたのが13年前。好きな野の花を写しながら、組み写真のテーマを「野の花とバレエの聖なる世界」としたところ、唯一無二の組み写真といわれ、受賞することもできました。指導者の方を筆頭に写真クラブ、友人などに導いていただきながらバレエ写真人生の10年の大きな区切りとなる写真展。舞台袖から写した写真と撮りおろしの写真を展示します。ご高覧のほどよろしくお願い申し上げ上げます。

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